10代・高校生による自転車事故が大幅増。自転車保険での備えを。
山形県警が県内の2015〜2019年に発生した自転車事故についてまとめました。
それによると、5年間で発生した自転車が加害者となった事故は81件で、そのうち10代が加害者となった事故は約半数の44件とのことです。
さらにその44件中、高校生が加害者の事故は30件で、そのうち8件は被害者が重傷を負いました(被害者が重傷となった事故は全体で17件)。
10代が加害者になるケースが半数以上になっています。
高校生の自転車事故が特に多い
高校生になると、通学に自転車を利用する生徒が増えるので、それが事故の多い原因の一つでしょう。
また、高校生は小・中学生の時よりも行動範囲も広がり、親もあまり口うるさく言わない年ごろでもあると思います。
そのためルールを守らずにスピードを出しすぎたり、スマホを操作しながら自転車に乗ってしまう生徒が多いのかもしれません。
ただでさえ自転車は気軽に乗れることから、危機感も薄くなりがちです。
しかし、「ついつい出してしまったスピード」や「ついついスマホをいじりながら自転車に乗ってしまうこと」で、大事故を起こすことがあるのも事実です。
自転車事故であっても被害者が亡くなることもありますし、たとえ高校生であっても高額な賠償を請求されることもあります。
自転車は危険な乗り物であることを認識すべきですね。
山形県では7月より自転車保険加入義務化
山形県では2020年7月より条例により自転車保険の加入が義務化されます。
自転車産業振興協会によりますと、自転車保有率が全国2位の山形県ですが、自転車保険の加入率は21.9%と全国ワースト2位とのことです。
ほとんどの自転車が何の備えもないとはとても恐ろしい状況です。
自動車の自賠責保険と異なり自転車保険は強制加入ではないので、加入率が低いのは仕方ないのかもしれませんが、自転車保険の存在すら知らない方も多いと思います。
条例制定を機会に、自転車保険の加入者が増えて欲しいものです。
全国で自転車保険加入義務化が広がる
2015年に全国で初めて兵庫県で自転車保険の加入義務化条例が制定されてから、全国条例制定の動きは広がっています。
条例制定の背景には、自転車が加害者となる事故の増加と事故を起こした際の賠償金も高額化があります。
過去には自転車事故を起こした加害者に、約9500万円の賠償命令が出された事例もあります。
自転車保険の加入は、万が一自転車事故を起こした際に、高額化な賠償に備えるために必要なのです。
自動車保険と同じくらい必要といえる自転車保険ですが、自賠責保険のように法律で加入が定められていないので、各自治体が条例で義務化を定めるしかありません。
しかし、現状では未加入者に対して罰則を設けられません。
結局のところ、自転車保険への加入は個人の意識の問題になると思います。
自転車保険に対する意識向上のために、自治体や学校、自転車販売店等が協力して自転車保険の必要性を啓蒙し、加入率を上げてほしいですね。