損保大手4社が新型コロナの補償範囲を拡大。新型コロナを特定感染症と同等の扱いに。
特定感染症と同等の補償へ
東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパン、あいおいニッセイ同和損保の4社は、現行の約款では補償対象外となっている新型コロナウィルスについて、補償対象となるように商品改定するとのことです。
対象となる保険は特定感染症を対象とする種目で、介護施設や宿泊施設が特定感染症により被った損害(施設消毒費用など)を補償するものなどがあります。
特例で2月1日から遡っての補償可能となるそうです。
特定感染症と指定感染症とは何か?
現行の約款で補償対象となっている「特定感染症」は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」における「一類感染症から三類感染症」をいいます。
特定感染症は、感染力の強さや罹患したときの重篤性が高い感染症で、コロナウイルスを原因とするSARSやMARSも特定感染症に位置づけられています。
新型コロナウイルスが分類される「指定感染症」とは、特定感染症と同等の感染力や罹患時の重篤性を持つ感染症とされています。
異例となる補償対応
さて、新型コロナウイルスの世界的な影響を鑑み、損保大手各社は商品改定に踏み切りました。今回は大手4社の発表でしたが、おそらく他の保険会社も追随するでしょう。
通常、保険は「これから起きる可能性のある損害」に備えるものです。従って、今回のように既に起きている損害を補償するために商品改定をすることは異例です。
それだけ新型コロナウイルスが社会に与える影響が多大であり、保険金の支払いにより少しでも契約者を救いたいという気持ちがあったのだと思います。
海外旅行保険においても補償期間が変更
海外旅行保険も改定の対象です。
現行の海外旅行保険では、原則として「保険期間終了から72時間以内に治療開始した場合」まで治療費用の補償対象となります。
ただ、例外として「第1類〜第4類に指定された感染症」については、「保険期間終了後30日以内」に治療を開始したら補償対象となります。
今回の改定によって、指定感染症である新型コロナウイルスについても「第1類〜第4類感染症」と同様の扱いになることが明確になりました。