元保険会社社員の腰掛けブログ

乗合代理店で売られる生命保険の販売手数料が開示されることに

   

金融庁が、生命保険各社に対して、複数の保険会社の保険を取り扱う「乗り合い代理店」に支払っている販売手数料を商品別に開示するように求めたことが分かりました。
今までも金融庁が販売手数料の開示を求めていることは何度か話題に上っていましたが、全商品の手数料開示を要求したことには驚きました。

複数の保険会社の保険を扱う「乗り合い代理店」は、ショッピングモールや商店街などに来店型店舗を構え、保険相談から自分に合った保険を選べるということで脚光を浴びました。
また、銀行の窓口でも複数の保険会社商品を取り扱っています。

消費者保護の一方で、代理店統廃合は進む見込み

消費者からすれば、一カ所で複数の保険会社の商品を比較することができるのは便利だと思います。しかし、どれだけの消費者がどれくらい保険商品を理解しているかは疑問を感じます。
プロである「乗り合い代理店」の社員でも保険商品の知識をアップデートしていくには日々努力が必要な状況の中、素人が十分な最新の保険商品知識を持ち合わせているとは思えません。
最終的には、相談に行った先で、プロである「乗り合い代理店」の社員に頼ってしまうのではないでしょうか。

金融庁が保険の販売手数料開示を要求する背景には、消費者を保護するという大きな狙いがあります。代理店が顧客ニーズに応えて保険商品を勧めずに保険会社からの手数料優先で商品を勧めることを防ぐことが目的なのです。
また、販売手数料が全て開示されれば、競争で手数料が引き下げられて保険料が安くなる可能性もあります。

一方で保険代理店からすると、手数料が引き下げられれば会社経営が厳しくなることも考えられます。
これからますます保険代理店の合併や廃業などが進んでいくのではないでしょうか。

全保険の手数料開示要求、金融庁
乗り合い代理店の顧客保護

 金融庁が、生命保険各社に対し、複数会社の保険を扱う「乗り合い代理店」に支払っている販売手数料を商品別に開示するよう求めたことが3日、分かった。
乗り合い代理店向けの全商品が対象。代理店がさまざまな保険の中で、ニーズに合うかどうかではなく、生保会社から受け取る手数料が高いものを優先する勧誘から、顧客を保護するのが狙い。

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