将来の損害保険料はどうなるか
日本損害保険協会が発表した加盟26社の2015年4~9月期決算は、本業のもうけを示す保険引受損益が816億円の赤字(前年同期は1669億円の黒字)となり、今夏に発生した大型台風の被害が大きく、保険金の支払いが膨らんだことが原因となりました。
予測のつかない大きな自然災害が発生したことにおける利益の圧縮は、損害保険会社にとって絶対に避けられない中で、改めて重要になってくることは、保険金支払余力であることを痛感します。保険金支払余力は「ソルベンシーマージン比率」と呼ばれ、この数値が大きければ大きいほど良いと判断されます。私たちは保険会社を選択する上で、参考にするべき指標の1つと言ってよいでしょう。
平成27年度は損害保険会社及び火災保険契約者にとって大きな変化があった年となりました。それは、10月より10年を超える長期の火災保険契約が取り扱われなくなったということです。特に火災保険契約者側からすると更新の都度、支払保険料が高くなることも懸念されます。
例えば、当初新築で建てた建物は火災などに対する耐久性も十分認められると考えられますが、年月が経過し、建物が減価していくことによって火災に対する損害が大きくなることも考えられます。このような場合、保険会社は古い建物に対する火災保険料を多く設定する方法も売上を上げる方法としてあるのではないかと考えます。
自動車保険と同様に、古すぎる年数の建物には火災保険そのものが掛けられなくなるといったこともあるかもしれません。
損保26社の本業利益、9年ぶり赤字 4~9月期
日本損害保険協会が15日発表した加盟26社の2015年4~9月期決算は、本業のもうけを示す保険引受損益が816億円の赤字(前年同期は1669億円の黒字)だった。赤字は9年ぶり。今夏に発生した大型台風の被害が大きく、保険金の支払いが膨らんだ。
正味収入保険料は6.5%増の4兆3080億円。各社が期間10年を超える火災保険の取り扱いを10月からやめるのを前に、割安感のある長期契約に切り替える顧客が増えた。