元保険会社社員の腰掛けブログ

海外旅行保険で高額医療事故が増えてるらしい

      2015/10/31

海外旅行をする人にとって、円高・円安といった為替の動向は気になるものです。
とはいえ、海外旅行はゴールデンウィークやお盆休み、正月休みなど長期の休暇や金銭の余裕がある場合、何かの記念がある場合などに行くのが一般的だと思います。旅行前と帰国後で大きな為替変動が生じる可能性は極端に考えにくいものの、できる事なら円高の時に海外旅行をしたいものです。

ファイナンシャルプランナーという立場から海外旅行をする皆さんには旅行前の準備として妥協してはならないポイントを1点ご紹介します。それは「海外旅行保険への加入」です。

健康保険は海外では効かない

日本では「国民皆保険」と言って、国民1人1人が健康保険や国民健康保険、後期高齢者医療保険など何かしらの公的保険に加入しています。そして、病院にかかった場合にはそれぞれに応じた医療費を負担しています。

これが海外に到着した場合、その国の法律が適用されるので一瞬で「無保険者」になるのです。そして、海外の医療費は日本に比べて想像をはるかに超える莫大な医療費がかさむのをご存知でしたか?
例えば、急性虫垂炎、いわゆる盲腸でも海外では数百万円単位の医療費がかかると言われています。

クレカ保険の補償だけでは不十分。

クレジットカードにはこのような時のために海外旅行保険機能が付いているのが多いのですが、これがあるから安心と思っている皆さんは大間違いです。保険料節約などで海外旅行保険に加入しないで行かれる方も多いですが、完璧な補償とは決して言えません。偶然が重なる事で人生は急変するのを肝に銘じておく必要があるのではないでしょうか?

参考:これまでに書いた海外旅行保険の記事

妊婦さんが海外旅行に行くときに入る保険は?
薬を服用してて海外旅行傷害保険に入る

海外旅行保険で高額医療事故が増加!

ジェイアイ傷害火災保険が7月17日に発表した「2014年度の海外旅行保険契約者の事故発生状況調査(2014年4月~2015年3月)」の結果によると、海外旅行保険の「治療・救援費用保険金」の支払いで、2014年に過去最高となる事例が発生した。その金額は9,335万円。アメリカの空港到着後に呼吸困難を訴えたため救急車で搬送され、肺塞栓症・肺炎・肺結核のため49日間の入院と手術が施された。その際には、家族も駆けつけている。

このほかでは、ハワイで嘔吐物を飲み込んで救急車で搬送され16日間入院したケースの6,080万円、アメリカで歩行中に車にはねられて脳挫傷・くも膜下出血で33日間入院したケースの5,664万円、クルーズ船内で胸の痛みを訴えたため南アフリカで下船し、36日間入院したケースの2,414万円などがあった。
ジェイアイ傷害火災保険によると、「治療・救援費用」の保険金支払いが300万円を超えた高額医療事故は世界各地で発生しており、円安の影響から欧米で多くなる傾向にあるという。

 - 海外旅行傷害保険