元保険会社社員の腰掛けブログ

認知症徘徊による損害、自治体が保険で保障。神奈川県大和市が全国初の試み。

   

神奈川県の大和市が11月より認知症による徘徊の恐れがある高齢者などを対象に公費で損害保険の保険料を負担する取り組みを始めました。
この取り組みは全国初のもので、とても良いことだと感じます。

昨今、高齢者の徘徊中の踏切事故などによる高額の損害賠償が心配になっています。
家族がどこまで責任を負わなくてはいけないかと言う不安もあり、愛知県でおきた認知症の高齢者の電車事故を巡る判決では非常に注目を浴びたことは記憶に新しいと思います。

どこの家庭でもその対策だけのために保険に加入できるわけではないと感じますので、市が保険契約者となった上に最大3億円補償されることは家族にとっても不安が少なくなりとても良いことだと思います。

ただし、誰もが無条件に保険対象者になるわけではなく、徘徊の恐れがある高齢者の情報を事前登録する市の「はいかい高齢者等SOSネットワーク」の登録者に限られます。
市で徘徊する恐れのある高齢者のためにネットワークを構築されていることも素晴らしいと思いますし、それを更に発展させて保険の対象者にする市の姿勢には真剣さが感じられます。
高齢者社会における高齢者やその家族を守ろうする大和市の方針の表れですね。

また、大和市では高齢者本人が事故などで死傷した時に補償される傷害保険にも加入しているので、高齢者に優しい自治体であると言えますね。

自治体によって対応がまちまちな認知症対策

高齢者対策は介護保険などの運営も地方自治体の市などが担っていて、市によって財政事情の違いもあり、福祉サービスにも違いが生じています。
全国どこに住んでいても均一の福祉サービスが受けられれば良いのですが、現状ではそれは難しいと言えます。

今後、一層地域格差は拡大していくことが考えられ、今回の認知症対策をはじめ由々しき問題だと感じます。

 - 仕事のこと, 保険のこと