銀行が売る外貨建て保険に苦情が殺到。資産を減らさないために個人ができる対策とは。
外貨建て保険の苦情が激増している
銀行が販売している外貨建て保険への苦情が増加し、金融業界が対策を検討しているというニュースがありました。
日本はマイナス金利という言葉に代表されるほど、超低金利時代に突入しています。
保険には貯蓄性のあるものがありますが、マイナス金利の影響で貯蓄性のある保険は利益が出せず、販売停止や商品の改定を行い人気をなくしていきました。
しかし、アメリカやオーストラリアのように日本に比べて相対的に金利が高い国があります。こうした国で運用を行えばプラスの収益になる可能性があります。
外貨建て保険はこのような外貨で運用を行なっているため、少しでも資産を増やしたいという人に人気が高まってきたのです。
ただ、リターンが期待できるということはリスクもあるということです。
外貨建て保険は保険会社が直接売ることもありますが、銀行の窓口でも販売を積極的に行なってきました。
窓口が増えるほど専門的な人以外が外貨保険を提案する機会も増加することに加え、高齢者からリスクの説明が不十分等の苦情が増加してきました。
金融業界としてその対策を検討し始めています。
親族の同席を徹底させ、契約には親族同意が必要とするほか、契約後に加入の意向や商品の理解を担当者以外が確認することも検討しているとのことです。
悪質商品を買わされないようどのような対策が必要か?
まだ検討段階なのでどこまで、販売者側である金融機関が対策を行えるか分かりません。そのため消費者である私たち自身でも知識を身に付けて対策をしていくしかありません。
私は普段、お金をテーマにセミナー活動を行なっています。
ここ数年で受講生が急激に増加していることから「お金は自分で学ぶこと」という意識が高まってきたと感じています。
しかし、それでもまだごく一部の人のみです。日本は金融教育の後進国です。
それを自覚し、自分でお金について学んでいかなければ今後お金に困るといった事態が増えると思っています。
まず保険商品を契約する時以下の2点があることを理解してください。
1.リターンがあればリスクが必ずある
2.保険=安全商品ではない
1.は金融商品全般に言えることですが、リターンがあるものは必ずリスクがあることを理解し、そのリスクがどの程度のものなのか確認する必要があります。
2.は特に高齢者に多い誤解ですが、保険=安全商品ではありません。
1.のように利益が出るものは損をする可能性もあります。これを踏まえて、
・商品のメリット、デメリットを把握
・リスクを確認
というのは最低限確認しましょう。
特にリスクについて、どこまで損をする可能性があるのかはしっかり確認が必要です。
もし、その説明が分かりにくかったり、増える可能性ばかり強調されるようでしたら契約をしない勇気も必要です。窓口では断りにくいという方も多くいます。
しかし、自分の資産を守れるのは自分だけです。大切な資産を減らさないためにしっかり判断できるようにしましょう。