三井住友海上グループ、中国の生命保険事業を売却。
三井住友海上火災保険が中国の生命保険事業から撤退することになりました。
現地の生保会社の保有株を全て売却し、資本提携を解消します。
2010年に約24億円を出資し、売却額は35億円程度になるということなので、資金的には損失は出ないようなのは良かったと思います。
三井住友海上火災保険が商品開発や資産運用のノウハウなどを提供してきましたが、経営戦略が合わなかったのが提携解消となってしまいました。
海外へ活路を見出そうと海外進出を進める保険会社が多くなっています。
しかし、お国柄、国民性や習慣の違いなどもあり、全ての海外進出が成功するわけではないと言うことだと思います。
提携先の中国の生命保険会社は不動産投資を進めたい一方、三井住友海上火災保険はリスクを抑えたかったため、折り合いがつきませんでした。
中国は不動産投資が盛んになっており、日本のバブル時代を彷彿とさせます。
日本はバブル時代に、挙って不動産投資が盛んに行われ、結果としてバブル崩壊時に不動産価格も下落した苦い経験があります。
今まさに中国は日本のバブル時代と同じ状況なのではないでしょうか。
三井住友海上火災保険が慎重になるのも当然だと思います。
中国からの撤退にはなってしまいましたが、不動産投資に積極的な提携先と資本解消したのは正しい選択なのではないでしょうか。
あまりにもリスクが大きいと感じた場合には、やはり撤退する勇気も必要だと思います。
中国の生保事業からは撤退しましたが、損害保険では引き続き中国での事業を継続します。
中国は広い国で人口も多いのでマーケット的には魅力もあります。
しかし、損害保険でも同様にリスクが生じるかもしれませんので、慎重に対応していくことが大切だと思います。