宅配便の急増で増えるリスク!運送業者が考えるべき運送業者貨物賠償責任保険
三井住友海上火災保険の運送業者貨物賠償責任保険が3年ぶりに改定を行うというニュースがありました。
(ニュース内容はこちら)
ニュースの中にもありましたが、国土交通省が発表したデータでは2016年度の宅配便の取り扱い個数は約40億個で、10年前と比較をすると約37%も増加しています。
小売業のEC化に伴い、宅配の数は増加したと考えられています。
小売業のEC化はまだまだ成長の可能性があり、宅配の数はこれからも増加すると見込まれています。
宅配業者はヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の大手3社が9割を担っていると言われていますが、すでに3社共に許容は限界となり、これから新たな対策が必要だと言われています。
すでに大手では人員増加を発表して対策を講じていますが、運送業界全般で人手が不足し、企業は人員の確保に苦しんでいます。
また、急激な人員の増加は、荷物の誤送や操作の誤りなどが増加するリスクがあります。
それらのリスクに対応するために、運送業者貨物賠償責任保険という保険が存在します。
運送業者貨物賠償責任保険とは?
ニュースの中に出てきた『運送業者貨物賠償責任保険』とは、運送、保管等の業務中に受託貨物に生じた物的損害に対する賠償責任を補償する保険です。
契約する保険によって異なりますが、輸送中に受託貨物が破損した場合や、保管中に盗難に遭った場合などが補償の対象となります。
補償はすべての業務を対象とすることも出来ますし、一部の業務のみを補償対象とすることも出来ます。補償額や免責金額も契約者が決められます。
基本的にはどの保険もお客様に弁償するのにかかった費用が補償範囲となりますが、弁償費用以外にもさまざまな費用がかかります。
それらの追加リスクを補うのがニュースにあった次の特約です。
——————-
誤配送に伴う再配送費用などを補償する特約を新設するほか、保険金の支払限度額を1事故当たり5000万円から1億円に引き上げる。
同社が運賠を改定するのは3年ぶり。補償を細分化し、人手不足などを背景に増加する運送業界の事業リスクに対応する。
——————-
今後の宅配業におけるリスク管理
宅配は年々増加傾向にあり、一部では2020年頃に約60億個になるという予想もあります。現状でも人員不足の問題はありますが、取り扱う荷物が増えれば、ますます問題は深刻化しますね。
どの業界でも変換期には、思わぬリスクに悩まされたりするものです。
その時、しっかりとした補償があれば、安心して経営を行うことが可能です。
個人で入る保険も企業で入る保険も最も大切なのは、保険料と補償のバランスです。今回の改定を機に、今後のリスクと備えるべき補償を見直してはいかがでしょうか。
ニュース記事からの一部抜粋
宅配急増で新たなリスク、誤配送対応費用を補償する保険
三井住友海上火災保険は、荷主から預かった貨物の損害などを補償する「運送業者貨物賠償責任保険(運賠)」を10月に改定する。
誤配送に伴う再配送費用などを補償する特約を新設するほか、保険金の支払限度額を1事故当たり5000万円から1億円に引き上げる。
同社が運賠を改定するのは3年ぶり。補償を細分化し、人手不足などを背景に増加する運送業界の事業リスクに対応する。
今回の商品改定では、貨物を指定先以外に誤って配送した際に、貨物を回収したり本来の届け先に輸送したりする費用を補償する特約を設ける。